東京タワーに訪れたのは直近8月だったか。アークスサマーパーティーで訪れたばかりですが偶然にもまた東京タワーの姿を見ることになるとは。今年は本当によく東京に足を運ぶ。移動費を換算しても可処分所得が改善していることを考えると、関東在住を選択することの意味とは…。(そりゃおめぇ、酒飲んでも電車で帰れることしかないべ)
会場は東京タワー最寄りのホテルにて。正門からじゃなく裏口から入ってしまうあたり、我ながら乙なチョイスである。
ホテルのクロークに荷物を預けてたところ、このホテルが開設60周年なんだとか。60ってシルエット分かりますかね?
せっかくの東京ど真ん中のホテルですのでクリスペのネタ集めがてら徘徊してもよかったのですが、今日は酒飲みのイベント。それどころではありませんでした。
シャンパンのセミナーは有料枠。酒飲みの人たちには、是非イベントで開催されるセミナーに参加されることをお勧めします。過去に2014年のインターナショナルバーショウでシェリー酒のセミナーを受講したことを思い出します。クリームとペドロヒメネスの味わいは、今でも印象的です。
セミナー講師は、アジア部門を担当されているロナン・デュラ・モーレさん。フランス人は足が長くてかっこええのぅ。
ロナンさん曰く、日本はシャンパンの消費量が世界で4、5番目。シャンパーニュの酒造りには250年の歴史があり伝統を重んじているのだそう。ちなみに、スライドの画像は、テタンジェ社で開催された身内のお祝いの写真。テタンジェが誇る『パーティー感、祝祭、家族経営で運営出来てること』を自慢のぶどう畑で社員と一緒に喜び合う一枚。なぜ家族経営であることが貴ばれるかというと、シャンパンの名門であるが故に、バカラやルッセラ、銀行やスターウッドキャピタルなどがテタンジェを所有していたことがあり、2006年に「これじゃぁ、いかん」とテタンジェのおじいさんがきちんと買い戻したとのこと。日本のセブイレブンも上場を止めるという話が上がっていますし、株式を上場することが本当に経営として適切か、判断が難しいところです。
ちなみにテタンジェは、日本の学校の黒板に使われていたチョークの採掘場跡地の洞窟(クレイエール)を所有しており、大事な酒をここで熟成させているんだそう。洞窟は深さ18m。長さは4kmで、夏冬関わらず一年を通して10度、湿度も常に一定。理想的な天然の貯蔵庫であるわけです。そういえば、日本酒の蔵元で務めていた時、営業さんが「洞窟貯蔵の酒を企画しようぜ」って盛り上がっていた時があったな。
シャンパンは5年~12年熟成。ヴィンテージやサイズ(ロット数)の大きなものをクレイエールに保存しているとのこと。
テタンジェの自慢は、ワイン造りではぶどう畑の所有者とメゾン(ワイナリー)が異なるケースが多い中、ぶどう畑とメゾンを一体で経営している点。日本では家族経営と聞くとちゃっちぃ印象があるかもしれませんが、第一次産業ではここに尽きるのかもしれません。自然のものは気候の影響をもろに受けます。ワインの名産にシャンパーニュ地方の土地を288ヘクタール確保。非常に苦労したそうです。メゾンとしては10番目の広さ。ワインの50%は、自分たちでつくったぶどうを使っている。
音楽を楽しむように、愉しんで
Taititnger公式
2015 Taititnger Brut Millesime
ぶどう: シャルドネ、ピノノワール
ふち: 粘度は無し
色: 濃い黄色。会場の照明が電球色であったため正確な色合いは不明
泡: きめ細やか、優しい泡(ゴマ粒より小さい)
香り(アロマ): さわやかさ、甘さ、パンの香り、グレープフルーツ
味: 美味い!(美味いってなんだよ)、食前酒
戻り: レモンの風味、ゆず、優雅さ
熟成年数: 5、6年
シャルドネとピノノワールが醸し出す優雅さと爽やかさが素晴らしい。一口目で「あ、これ美味しい」と万人の目をキラキラさせるのは流石としか言いようがない。グランクリュのぶどうが70%、プルミエクリュのぶどうが30%。味わいを整えるためにアサンブラージュをしているとのこと。ウィスキーを嗜むものとしてその辺は理解していますとも。
Taittinger Folies de la Marquetterie
ぶどう: シャルドネ、ピノノワール
泡: 非常に小さい
香り(アロマ): 華やかさ、重み、豪快
味: グレープフルーツ
戻り: 戻りの風味を鼻孔で楽しむ
銘柄にあるマケルケットリーはシャトーのスタート地点。シャルドネの軽さ、明るさが印象的。混ぜ物は一切なし。純粋なマルケットリーのぶどう畑のぶどうのみを使っている。アサンブラージュの1/3が木樽を使っているためバニラ香が感じられる。
2012 Taittinger Comtes de Champagne Blanc de Blancs
ぶどう: シャルドネ100%
泡: 素晴らしい泡、見かけることがない希少
香り(アロマ): おお~、素晴らしいエレガント、優雅、贅沢、柑橘系
香り(ブーケ): 貝料理の風味、柑橘系、時間が経つとバター
花丸。世界でトップのキュベ。30年寝かせても大丈夫で、まだまだ育つとのこと。かなり出来上がって来たのでメモが怪しくなってしまったがこれが最も美味しかった。
シャルドネの明るさ、軽やかさ
グランクリュ
10年クレイエールで寝かせている
上記3つのポイントが売りだとか。すでに泥酔しているにもかかわらず、「これ凄いな」と書きなぐるほど。
ロナンさんも大分出来上がって来たのかトークに冗談が入るようになり、通訳の女性が失笑する始末。テタンジェがユネスコ遺産に登録されたのはいいんだけど、伝統製法を守るために手作業でルミアージュをする必要が。手間がかかってしゃーない、的なことを言っていたそうです。
酔っぱらった勢いで1本注文したんですが、どえらいもんを買ってしまったようだ。担当の営業さん曰く「これ持ってるって自慢できますよ~」。
Taittinger Nocturne Blanc Sec
色: 黄色。照明の影響か
泡: 非常にこまやか
香り(アロマ): ラグジュアリー、エレガンス
味: 桃、焼いたリンゴ
料理: フォアグラやデザートに合わせると良い
ドザージュはぶどうが決まったときに実施するかどうかが決まっていて最初から計算しつくしているんだそう。
なお、冒頭のセリフは、テタンジェさんのお言葉。
せっかくのテタンジェセミナーでメモに手抜かりがあったのは理由があるのです。今回のイベントは、ワインと酒飲みの合コンみたいなイベントで、セミナーの前からテイスティングしていたのです。人が多すぎてあまり数は回れなかったのですが、気になったものをメモしておきます。
Bibi Greaetz
イタリア
2022 Casamatta Rosso: よく焦がした肉
2021 Testamata: これを注文するためにイベントに参加した節もあるのです。非常に〇。白ワインですが、タダモノじゃない
2021 Colore: ヒレ肉。広がる旨味。複雑さ。Testamataの次の2杯目にもらいましたが、「これ、早速今日のイベントが終わったんだけど」と思える程美味い。ちゃんとした場を設けてテイスティングノートをつけるべき名品。売り子のおばあさんも「この会場の中で一番美味い酒です」と素の真顔で語るほど。
Jean-Claude
フランス
2023 Jean-Claude Boisset Gevrey Chamberrtin: 華やかさ、清々しさ、ザクロ、お花畑、ローストビーフ、バラ肉などガツガツ量を楽しむお肉ではない。フィニッシュに、ピンクや黄色、黄緑などカラフルに彩られた華やかで和やかな夢
Araex Grands
スペイン
2022 Pago de Cirsus Chardonnay: 軽く焼いたシーフード
2018 Pago de Cirsus cuvee Especial: シラーの渋み
2020 Finca Sobreno CRIANZA: タンニンのパワフルさ。ぐるぐる回して飲む
2018 R&G Clos D'en Ferran PRIORAT: スモークスタイル
値段も手ごろでコスパ良し。これ唾つけておこう。
Cabriz
ポルトガル
2022 Cabriz White: 食中酒にもってこい
2022 Cabriz Red: 軽快な赤。普段使い
今回の掘り出し物。価格に対して非常に満足度が高い。コスパ最高。これも唾つけ。